カナダで出産 妊娠〜出産の流れ

海外出産

これからカナダで生活される方、すでに住んでおられる方で現地で出産することに不安を感じている人は多いのではないでしょうか?出産のために日本に帰ると費用もかかるしパートナーと長期間離れてしまう、でも海外で出産するのは想像もつかないし大変そうだなとモヤモヤしますよね。

そこで、カナダで妊娠出産した私の経験を踏まえた妊娠〜出産の流れをご紹介させていただきます。どんなことがあるのか事前に知っているだけでも心に余裕ができるもんです。日本と全く仕組みが違うので、初産の方だけでなく日本での出産を経験している方も是非参考にしてみてください。

週数毎のイベント比較

妊娠週数毎に何があるのか日本とカナダを比較表にまとめました。日本で出産経験がある方はこれを見るだけで大体イメージできると思います。

妊娠
週数
日本
(ある産院の例)
カナダ
(私の記録)
特記事項
4 妊娠検査薬
妊婦健診1
早期妊娠検査薬が薬局で買える!
6妊娠検査薬
妊婦健診1
超音波検査1
妊婦健診2
血液検査
専門的な英語でめっちゃ質問される
8妊婦健診2
超音波検査2
妊婦健診3
超音波検査1
超音波検査は専用の施設に行く
10 NIPTキットをもらって総合病院で採血
12妊婦健診3
超音波検査3
血液検査1
妊婦健診4 
16妊婦健診4
超音波検査4
妊婦健診5 
20妊婦健診5
超音波検査5
クラミジア検査
妊婦健診6
超音波検査2
 
24妊婦健診6
超音波検査6
血液検査
妊婦健診7産院を決める
26妊婦健診7
超音波検査7
  
28妊婦健診8
超音波検査8
妊婦健診8
妊娠糖尿病検査
DTAPワクチン摂取
糖尿病検査も専門施設で実施
ワクチンは薬局で摂取
30妊婦健診9
超音波検査9
超音波検査3前置胎盤のため追加超音波検査
32妊婦健診10
超音波検査10
妊婦健診9 
34妊婦健診11
超音波検査11
妊婦健診10
超音波検査4
NST
胎児が基準より小さかったため追加超音波検査&NST
35GBS(B型溶連菌)NST 
36妊婦健診12
超音波検査12
NST1
妊婦健診11
GBS(B型溶連菌)
超音波検査5
NST
胎児が基準より小さいため追加超音波検査&NST
GBSは診療所で実施
37妊婦健診13
超音波検査13
NST2
妊婦健診12
NST
胎児が基準より小さいため追加NST
38妊婦健診14
超音波検査14
NST3
妊婦健診13
NST
胎児が基準より小さいため追加NST
緑字は状況に合わせて実施されるもの

妊娠から分娩までの診察の流れ

0〜28週

まず最初に妊娠が分かったら、かかりつけ医(Family Doctor)もしくはWalk in Clinicで受診します。28週目まではそのままの診療所で4週間に1回受診しました。診察時は毎回、体重/血圧/尿検査/心音確認を実施します。2回目の診察で家族に病気の人がいないか、本人に遺伝的疾患がないか色々聞かれます。それ以外の診察では先生から何か問題ない?と聞かれて質問すれば詳しく教えてくれますが、質問がなければあっさり終わりです。これはおそらく欧米人との文化の違いですが、空気を察して行動してくれるということはあまりないです。その代わり的外れな質問でも変な顔はせずできる限りのことは対応しようとしてくれます。

24週で産婦人科医(Obsrterician, OY-GYN)、かかりつけ医(Family Doctor)、助産師(Midwife)のうちから検診や出産を担当してもらう先生を決めました。これが初産だったこともあり、一番感覚的によく分かりませんでした。産婦人科医と助産師の違いについてはこちらの投稿を確認してください。私はトラブルが起きた時にすぐ対応できる病院での出産がよかったので産婦人科医を選びました。日本のように産婦人科医が営んでいる産院での出産はなく、総合病院での出産になります。

28週〜陣痛まで

28週以降は上記で選んだ先生の勤務先で妊婦健診を受けます。私の場合は担当産婦人科医の勤務する診療所で36週まで2週間に1回通いました。

36週以降は上記の場所で週1回の受診でした。このタイミングで陣痛(Labor)が来たらどうするか、いつ病院に行くべきか等のを詳しく教えてもらえます。私の場合は、誘発分娩を勧められたので陣痛が来てから病院に行くという流れではありませんでしたが、詳しく何度も教えてもらえるのでここは問題ないと思います。

人によってはここで追加の超音波検査とNSTを受けます。NSTは、胎児の心音と子宮収縮をモニタリングして健康かどうか判断するものらしいです。これは産院である総合病院で実施します。空いてるベッドに案内されて、ジェルを塗って機器をバンドで身体に巻いて20分ほど寝てるだけです。胎児がちゃんと起きて動いてくれたらすぐ終わるのですが、動かない場合動くまで追加でモニタリングされます。

陣痛開始〜出産まで

本陣痛が始まり病院に行くとNSTと子宮口を確認されます。そこで基準に達していた場合、分娩室に移動して出産に入ります。パートナーも分娩室に最初から入れますが、めちゃくちゃ手伝わされます。先生は痛みを感じる必要なんて全くないし、いつでも対応できるからと無痛分娩(無料)をかなり勧めてきました。もともと無痛希望でしたが、どんな痛みか体験してみたいので一通り体験したら麻酔をお願いしますと伝えたところ、すんなりOKでかなりこちらの意見を尊重してくれました。先生はシフト制勤務のため出産前に交代となりましたが、交代時に目の前で引継ぎもしてくれて安心感がありました。

出産〜退院まで

出産後は分娩室で赤ちゃんの身体チェックを実施し、問題なければに病室に移動します。病室では看護師から世話の仕方や授乳のアドバイスなどをしてもらい基本的に1日で退院です。私の場合は出血が多く、腫れがなかなか引かなかったので2日入院でした。個室は別料金がかかるそうですが、コロナ禍のため無料で個室に入れてもらえました。入院中は母子同室で3時間おきぐらいに赤ちゃんの体温を測りに来てくれて何か質問ある?と聞く程度で、ここでもこちらから質問しない限り基本的には何もしてくれません。忙しそうだから後にしようとか空気読まず、気になることは全部聞くのがいいと思います。無理なら今は対応できないから後でまた来ると言ってくれるし、それで気を悪くされることはないです。

退院時は赤ちゃんをチャイルドシートに乗せた状態で問題ないか看護師がチェックします。そこで問題なければそのまま車で帰宅となります。なので、入院までに車にチャイルドシートを確実に入れておくようにしましょう。

カナダと日本の違い

早期妊娠検査薬が薬局で買える

日本で市販されている妊娠検査薬は生理予定日後1週間から使用可能なものが一般的ですが、カナダでは予定日の6日前から使用可能な早期妊娠検査薬が薬局(Phermacy)で簡単に購入できます。私は妊娠検査薬が並んでる棚からFirst Response という2個で$19ぐらいのものを購入しました。早く分かるのでモヤモヤ期間が短くすんで良かったと思います。

妊婦健診を受けるところ

日本では風邪をひいたら内科、妊娠したら産婦人科と別々の病院で受診しますが、カナダでは一般的に各家庭毎に専門問わず対応してくれるかかりつけ医(Family Doctor)がいて、どんな症状でもまず最初はその先生に診断してもらいます。妊娠の場合もかかりつけ医に予約して診てもらいます。私は来たばかりで、かかりつけ医がまだいなかったので、Walkin Clinic(予約なしで行ける診療所)に行きました。Google mapでWalkin Clinicと調べたら色々出てくるので私は一番近いところにしました。

診察/採血/超音波/NSTの実施施設が全部違う

日本では産婦人科に行けば診察から採血(Blood test)や超音波検査(Ultrasound)までやってくれますが、カナダの診療所は診察しかやってくれません。採血や超音波検査はそれ専門の会社があり、その施設に行く必要があります。診察の時にそれぞれどの会社に行くか教えてくれますが、最初そんな仕組みを知らなかったので何を言っているのかさっぱり分かりませんでした。全て個別で予約を取る必要があり、1日で全て終えることができないのでかなりめんどくさいです。

診察/採血/超音波/無痛分娩は全て無料

カナダは医療費が無料なので診察等の国や州で決められていることは全て無料です。ただし、薬や出生前診断(NIPT)等は有料です。

出生前診断(NIPT)がめちゃくちゃ安い

日本では20万円ぐらいかかる出生前診断(NIPT)がカナダではかなり安く簡単に受けられます。

私は5週目の検診でNIPTを受ける旨を伝えると、その場で検査キットを渡され、これを持って10週目以降に指定の大病院に行くように指示されました。大体$300ぐらいと聞いてたのですがInvitaeという会社のキットで$130(1万円ぐらい)で済みました。病院は受付でNIPTの採血をしてほしい旨を伝えるとすんなり案内してもらえ、パパッと採血して終わりでした。結果は1週間ぐらいでEメールで送られてきました。1/20の価格でNIPTを受けれるのは大きなメリットだと思います。

超音波検査回数が少ない

日本ではほぼ毎回診察時に超音波検査を実施しますが、カナダは超音波は基本的に2回だけです。異常の可能性がある場合は必要に応じて追加検査を実施します。心音は毎回確認しているので、元気にしているかどうかは分かるので問題ないです。

成長曲線の基準が違う

超音波検査の結果、胎児の体重が10パーセンタイルの線上で基準を下回っていたらしく何度も超音波検査とNSTを受ける必要がありました。担当医の見解ではカナダの基準では小さいことになっているが、NSTの結果胎児の健康は問題なく、アジア人夫婦で大きい胎児にはなりにくいので心配はいらないとのことでした。人種差別的になるからかアジア人としては大丈夫というのは非常に言いにくそうでした。こっちは全然気にしてないのに、さすがは移民の国と感じました。胎児に問題ないとはいえ基準を下回っているので頻繁な検査が必要で、それが親の不安やストレスになるのを避けたいからとのことで39週で誘発分娩を推奨されました。39週以降は胎児の成長に関してお腹の中にいるメリットはないとのことだったので誘発分娩を選択しました。

困ったこと

産院と担当医の選び方

26週で産婦人科医、かかりつけ医、助産師の誰に担当してもらうか選ぶように言われますが、正直全く意味が分かりませんでした。何度も説明を受けて理解した内容を下記に示すので参考にしてください。

  • 産婦人科医
    • 産院は総合病院
    • 帝王切開や無痛分娩の対応ができる。
    • シフト制勤務のため出産当日は誰になるかわからない
  • かかりつけ医
    • 基本的に産婦人科医と同じ
  • 助産師
    • 家での出産かMidwife centerという病院ではない場所での出産対応ができる
    • 低リスクの妊婦のみ対応可能
    • 帝王切開や無痛分娩の対応はできず、必要な場合は総合病院へ搬送される
    • 数人でローテーションしているため、健診で話したことがある人が分娩対応してくれる

専門的な英語

英語のほとんどが専門的な内容で全くわからず困りました。会話内容から英単語リストを作ったので参考にしてください。

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